「東北大短歌」は、東北大学短歌会が発行する歌誌。第6号の編集は岩瀬花恵。

新しい朝が来るはずあの夏のために覚えていた周波数 (青木美樺)
君が君の信じる歌をうたうからずっと燃えゆく海はありうる (石原梨子)
この季節さいごの雪に触れるとき棺となって燃える手のひら (岩瀬花恵)
炊き立てのお米は素手でにぎるものわたしだけに甘えていてほしい (牛越凜)
水遣りを忘れないでね透明な水で咲かせるとうめいなはな (臼井悠華)
したあごを窓枠にのせ いつからか撮らなくなったただの夕景 (如月妃)
お気に入りのスプーンひとつあればいいなんでも料理を作るときには (工藤真子)
をはりにといへばせつなき論稿の 雨の未だに止まざることの (越田勇俊)
延々とemotionalな大学生ミトコンドリアのほうがえらいよ (高梨ふみ)
立ち漕ぎの背に頬預け坂道の角度を知らなかったスカート (濱菜摘)
ヒーローの写真が撮れたからLINEができる相手がいる (番澤芹佳)